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地域に寄り添うスーパーマーケット「どんたく」
石川県の魚介類に対する社長の想いをお聞きしました

2025.05.02
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「魚といえばどんたく」でありたい

JFいしかわ:「どんたく」には地元の魚が多く並んでいます。そこには社長の思いもあるのでしょうか。どんたく山口社長:スーパーマーケット「どんたく」は1963年にスタートしましたが、創業のルーツは魚屋にあります。だから今でも鮮魚をどんたくの強みのひとつにしていきたいと考えています。「魚といえばどんたく」というスーパーでありたいですね。私自身も魚好きで、おいしい地元の魚を、もっとたくさんの方に食べてほしいという思いもあります。地元で獲れる魚の販売を通して、石川の海の豊かさをお客様に伝えていくことが生産者の応援に繋がりますし、地域の発展にも繋がります。また、県内外のお客様が石川の魚を食べて、また食べたいと能登へ足を運んでもらえたらいいなと思っています。

地域文化に合わせられる柔軟性

JFいしかわ:どんたくのお店には、いろいろな種類の地魚が並んでいますね。
どんたく山口社長:はい。七尾や奥能登・金沢など店舗によってもそれぞれのカラーがあります。地域が違えば食べる魚も違い、その地域性に柔軟に合わせていくことは大手のスーパーではなかなか難しいだろうと思います。お買い物にいらっしゃった地域のお客様がほっと安心するような店でありたいと思いますね。店舗によってカレイやキスが売れたりコイの切り身が売れたりと、その地域に店を出したからこそ違いもわかって、勉強になるしおもしろいですね。

JFいしかわ:地域に合わせたお店づくりの工夫はありますか?
どんたく山口社長:たとえば七尾の店舗では、5月の青柏祭の時期や年末年始、お盆など、地域のイベントに合わせて大きなお刺身の盛り合わせやオードブルを置いたり、普段の売り場と変えたりしています。「ハレの日に強いどんたく」と自称しているほど、祝日やお祭りに限らず、いろいろなイベントに際して、「今日どこで買おうか?」という時に、どんたくに行くとおもしろいものが並んでいる、と思い浮かべてもらえるように努めています。

店頭で感じる能登の「ハチメ愛」

Fいしかわ:春告魚「ヤナギバチメ」について教えてください。
どんたく山口社長:ヤナギバチメ(ウスメバル)をはじめ、真バチメ(クロメバル)や茶バチメ(シロメバル)などのハチメ類は個人的にも馴染み深い魚です。食卓にハチメの刺身や塩焼きがあると嬉しくなりますね。店舗の売り場でも、赤いヤナギバチメが並ぶと華やかに映えて、「春が来たな」と感じます。
お盆の時期や、七尾では青柏祭の時期になると「ハチメないか?」とのお声をいただくこともあります。正式名の「メバル」ではなく「ハチメ」と呼ばれているところにも地域の方のハチメ愛を感じますね。売り場では丸の魚で並ぶこともありますし、お刺身にして並べることもあります。かつて私の母方の祖父が漁師をしていて「能登の魚が美味しいのはエサが良いからじゃないか」と言っていました。本当に美味しいので、ぜひ味わっていただきたいですね。

地域の食文化を守りたい

JFいしかわ:地域の方が普段から食べている魚の美味しさが広く伝わるといいですね。
どんたく山口社長:私たちはその日に獲れたものをお店で販売して、地元の人に当たり前に食べていただけるようにすることで地域の食文化を守り伝え、さらに発展させていくことが使命だと考えています。その点において、能登ではハチメという魚は不可欠なもの。地元のおいしい魚を食べてくれる人がどんどん増えて、地域の漁師さんの支援にも繋がればいいなと思います。

取材:若松 拓海(JFいしかわ本所)

金沢市出身。大学卒業後にJFいしかわに入り、8年ほど人事・労務や財務・会計を担当したのち、2021年からは県産魚のブランドPRや広報、JFいしかわの公式SNS運用を担当しています。魚は見るのも食べるのも好きで、最近刺身包丁を買いました。推しの魚は・・・ありすぎて一つに絞れません。日々頑張っている漁師さんの思いとともに、石川県産水産物の魅力を多くの人に届けられたら嬉しいです。

2025.05.02